防災 その家具、凶器になりませんか？命を守る「家具転倒防止」ガイド
こんにちは！元ホームセンタバイヤーの「ホムスタ」です。
今回は防災のご案内です。
地震大国・日本に住んでいる以上、避けて通れないのが「防災対策」です。
もちろん地震なんて起きない方がいいに決まっています！だけどいつか起きそうな地震、来ない事を祈りつつ対策はすべきかと思います。
ホームセンター各社においては、「防災用品」コーナーは年々売場拡大をしているケースが多いかと思います。 それだけ危機感意識が高まっているのかと思います。
防災対策と言っても、色々と準備方法は違います、防災食、避難グッズ、安全対策などなど、様々な準備が必要です。
今回は防災地震対策の「家具固定」について解説致します。
わかってはいるけど、意外と後回しになりがちなのが「家具の転倒防止対策」。
「いつかやろう」と思っているその家具、もし今、大地震が来たらどうなるでしょうか？
今回は、家族の命を守るために絶対にやっておきたい、家具の固定について解説します。
防災対策の防災食の備えもしたいですね！こちらでご案内 防災対策 防災食編
なぜ「家具転倒防止」が必要なのか？
結論から言うと、大地震におけるケガの原因の多くが「家具類の転倒・落下・移動」によるものとされています。
地震が起きた瞬間、家具はただの収納道具ではなく、数十キロの凶器へと変わります。 「自分は逃げられる」と思っていても、揺れで体が自由にならない中、ピアノや本棚が飛んでくるような状況を想像してみてください。
家具固定の目的は、単に「家具を守る」ことではなく、「あなたと家族の命、そして避難路を守る」ことなのです。
過去の事例から学ぶ恐怖
過去の大震災（阪神・淡路大震災や東日本大震災、能登半島地震など）では、家具の転倒により以下のような被害が多数報告されています。
- 就寝中の圧死・窒息 寝室のタンスが倒れ、寝ていた人を直撃。逃げる間もなく下敷きになり、命を落とすケース。
- 避難路の封鎖 廊下やドア付近にあった本棚が倒れ、ドアが開かなくなった。その結果、火災や津波から逃げ遅れてしまったケース。
- ガラスの飛散による負傷 食器棚が倒れてガラスや食器が散乱。足の踏み場がなくなり、室内での移動ができずに救助まで孤立してしまったケース。
ポイント: 家具は「倒れるもの」だけでなく、「飛んでくるもの」「通路を塞ぐ物」とも考えましょう。
代表的な転倒防止グッズと特徴
ホームセンターには多くのグッズがありますが、それぞれ特徴が異なります。環境に合わせて選びましょう。
1. L字金具（効果：★★★★★）
壁と家具をネジで直接固定するタイプ。
- メリット: 強度が強く、信頼性が高い。
- デメリット: 壁に穴を開ける必要があるため、賃貸では難しい場合がある（※最近は石膏ボードの穴が目立たないタイプもあります）。
2. 突っ張り棒（ポール式）（効果：★★★☆☆）
家具の天板と天井の間に入れて突っ張るタイプ。
- メリット: 工具不要で設置が簡単。壁を傷つけない。
- デメリット: 天井の強度が弱いと突き抜けてしまう。単体では大きな揺れで外れることがある。
3. 粘着マット・ジェル（効果：★★★☆☆）
家具や家電の底に敷くタイプ。
- メリット: 揺れを吸収する。テレビやパソコン、電子レンジなどに最適。
- デメリット: 重心の高い背の高い家具（本棚など）には不向き。
4. ストッパー式（効果：★★☆☆☆）
家具の手前下部に挟み込み、壁側に傾斜させるタイプ。
- メリット: 設置が一番簡単で安価。
- デメリット: これ単体での効果は限定的。
私のオススメ！最強の組み合わせは？
私が最もおすすめするのは、「あわせ技」です。
実は、突っ張り棒やストッパーは、単体だと震度6強クラスの揺れで外れてしまうことがあります。しかし、これらを組み合わせることで効果が格段にアップします。
【賃貸でもできる最強セット】 「ポール式（突っ張り棒）」 ＋ 「ストッパー式 または 粘着マット」
家具をストッパーで壁側に傾けつつ、上からポールでガッチリ固定する。 これで、天井と床の両方向から家具をロックできます。L字金具が使えないお家では、これが現時点でのベストアンサーです。
【重要】突っ張り棒、その天井で大丈夫？「天井の強度」を見分ける3つの方法
「よし、突っ張り棒を買ったぞ！」と、すぐに取り付けようとしていませんか？ ちょっと待ってください！ その天井、「中身が空洞」かもしれません。
もし天井が薄い板だけで支えがない場合、地震の突き上げる力や設置時にポールが天井を突き破ったり、時間の経過とともに天井が歪んでポールが緩んだりしてしまいます。
特別な機械がなくてもできる、簡単なチェック方法をご紹介します。
1. 「コンコン」叩いて音を聞く（打診）
一番手軽なのが、手でノックする方法です。
- 「ペチペチ」「ボコボコ」と低い音が響く場合
- 判定：弱い（空洞）
- そこは薄い板（石膏ボードやベニヤ）しかありません。突っ張り棒をそのまま設置するのは危険です。
- 「コンコン」「カチカチ」と高く硬い音がする場合
- 判定：強い（下地あり）
- 裏に「梁（はり）」や「野縁（のぶち）」と呼ばれる骨組みが通っています。ここは突っ張り棒を設置する「正解エリア」です！
2. 指でグッと押してみる
天井に指を当てて、少し強めに上に押してみてください。
- 天井がたわむ（動く）場合
- 判定：弱い
- 手で押して動くようでは、地震の激しい揺れには耐えられません。
3. 【確実】「下地探し」ツールを使う
もしDIYが好きなら、「下地探し（針タイプやセンサータイプ）」を1本持っておくことを強くおすすめします。
- 針タイプ: 天井に細い針を刺し、奥で「手応え」があればそこに骨組みがあります。
- センサータイプ: かざすだけで壁裏の骨組みの位置をランプで教えてくれます。
「天井が弱かった…」そんな時の対処法
「調べたら、家具の真上の天井が空洞だった…」 諦めるのはまだ早いです！ 天井が弱くても強度を出す技があります。
対処法：当て板（補助板）を挟む
突っ張り棒と天井の間に、「一枚の板」を挟んでください。 これによって、突っ張り棒の「点」でかかる力を、板の「面」で分散させることができます。
- 何を使えばいい？:
- 厚みのある木の板（かまぼこ板のようなサイズではなく、大きめのもの推奨）
- 設置のコツ:
- 板は、天井裏にある「骨組み（強い部分）」にまたがるように渡すと、さらに強度が上がります。
Point: 天井の強度がどうしても不安な場合は、無理に突っ張り棒を使わず、前回紹介した「L字金具（壁固定）」や「粘着マット」など、別の方法に切り替える勇気も大切です。
まとめ：まず1つでも固定してみましょう
「全部やるのは大変…」と思うかもしれません。 まずは、「寝室」と「避難経路（玄関・廊下）」にある家具から始めてください。
防災用品は、知識だけでは意味がありません。 これを読んだのも何かの縁。ぜひ転倒防止チャレンジを！！
その1本のネジ、1本の突っ張り棒が、大切な家族の命を救うかもしれません。
ちょっと長くなりましたが、今回はここまでです。
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他にもホームセンターでご相談を受ける事、ホームセンターのオススメ商品などを色々と配信しています。ぜひ覗いて下さいませ、発信情報が少しだけでもご参考になれば嬉しいです！
それでは！！
ホムスタ
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